書評
「ここまでわかる頭部救急のCT・MRI」―井田正博●著
長尾 毅彦
1
1東京女子医科大学・神経内科
pp.957
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101570
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私の盟友,井田正博先生の最新著作『ここまでわかる頭部救急のCT・MRI』が届いた。1ページ1ページ読み続けていくうちに,私の前任地である東京都保健医療公社荏原病院での日々が鮮明に甦ってきた。
井田先生は,私とともに1994年の新荏原病院の開設時に赴任し,以来一貫して急性期病院の神経救急の第一線で活躍している,放射線科医としては非常に珍しい「肉食系男子(失礼!)」であり,私は神経放射線,特に急性期脳血管障害の診断・治療に心血を注いできた姿を傍らでずっと見続けてきた。24時間体制でMRI検査を可能にする体制を全国に先がけて確立し,同院「総合脳卒中センター」設立の立役者となった。井田先生なくして,今日の荏原病院の評価もなかったと信じている。そして,昼夜,盆暮を問わず画像読影室に現れ,技師さん,部下の放射線科医,研修医に檄を飛ばし続けるそのエネルギーがそのまま本書に昇華していると感じた。それにしても,常に飛び回っているあの人のどこにこの大作をつくる時間があったのだろう?
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