学会印象記
第20回世界神経学会議(WCN2011) (2011年11月12日~17日)
高橋 良輔
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1京都大学医学研究科臨床神経学
pp.585-586
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101200
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モロッコというと,古い映画ファンの方はラブロマンス映画「カサブランカ」を想起されるであろう。WCN2011はカサブランカから列車で4時間の,世界的に有名な古都マラケシュで開催された。初日の午後は空き時間ができたので,本誌編集顧問の中野今治先生とともに,世界文化遺産に指定されているメディナと呼ばれる旧市街に出かけた。マラケシュは1070年に成立した最初のイスラム国家ムラービト朝の首都であり,幾多の王朝の興亡の中で,経済・学問の中心として栄えた都市である。旧市街にはマラケシュのシンボルであるクトゥビアという高い塔がそびえ,その近くに多くの屋台やスーク(市場)が軒を並べるフナ広場がある(写真1)。マラケシュで出会った人々は概して律義で親切な人であったが,戸惑ったのは,スークのような小売店では商品に値段がついておらず,最終的な値段が交渉の結果,決まることである(ホテルや空港の売店などは例外)。しかし,このような交渉を楽しめる人にはよい旅の思い出になるかもしれない。
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