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初秋のウィーンにて第21回世界神経学会議(World Congress of Neurology:WCN 2013)が9月21~26日に開催された。欧州神経学会議(Europeau Federation of Neurological Societies:EFNS congress)と同時開催であったが,欧州のみならず世界135カ国から,6,300名を超える神経内科医が集まった。会場のメッセウィーン国際会議場はウィーンの中心部からも近く十分な広さがあり,最先端のIT設備を有していた。Plenaryとして,ウィーン出身のノーベル生理学・医学賞を受賞したEric Kandel先生の基調講演をはじめ,Angela Vincent先生の自己免疫介在性中枢神経疾患に関する話題などup-to-dateの招待講演が,数千人は収容できる大ホールでなされた。また,脳卒中,運動異常症,多発性硬化症,てんかん,認知症など日ごとに特集を組んだシンポジウムや多数の教育プログラムが用意され,学術的に実りのある学会であった。ソーシャル・プログラムについても,楽友協会を貸し切っての神経内科医指揮による音楽会,Hachinski理事長作曲のワルツの演奏と充実しており,オーストリア神経学会主催ならではの催しであった。
特に日本神経学会にとっては,2017年開催予定の第23回世界神経学会議(WCN 2017)の京都への招致が決まり,忘れられない歴史的な学会となった。日本神経学会は1981年に第12回世界神経学会議を京都で開催しており,2回目の招致には大変な困難が予想されたが,水澤英洋代表理事の強力なリーダーシップのもと,国際対応委員会を中心に日本神経学会が1つになって招致活動を進めた結果,今回の招致決定に至った。これまでのWCNの歴史上,2回開催された都市はロンドン(1935年,2001年),ウィーン(1965年,2013年)の2都市のみであり,京都での2017年の大会は,学会史上最も短い間隔での2回目開催となり,欧州外では初めての快挙となった。
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