追悼
萬年 甫先生を偲ぶ
和氣 健二郎
1
1東京医科歯科大学
pp.587-591
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101201
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わが国を代表する神経解剖学者,東京医科歯科大学名誉教授 萬年 甫先生には2011年12月27日,東京目黒のご自宅で急逝されました。机上にはご執筆中の原稿が開かれたままでした。
先生は1923年5月23日,千葉県千葉郡津田沼町771番地でお生まれになり,幼時を市川の真間で過ごされた後,医師のご尊父が開業される機に,現在のご自宅近くへ転居されました。芝の白金小学校から府立高等学校尋常科,続いて理科乙類を経て,1947年東京帝国大学医学部医学科を卒業されました。卒業後は脳研究施設の小川鼎三教授を慕って大学院へ進学されました。1954年に東京大学医学部助手,1957年講師,1958年助教授,さらに1960年には東京医科歯科大学医学部附属難聴研究施設助教授を併任され,1966年に同医学部解剖学第3講座教授に昇任されました。1989年3月31日に定年退官されるまで23年間にわたり,神経解剖学の教育と研究に専念されました。その間,大学評議員ならびに附属図書館長の要職を歴任されました。ご定年後は週1日を東邦大学解剖学教室へ出向かれ,文献収集や講義で過ごされる以外は,もっぱらご自宅の書斎にひきこもって執筆に没頭されました。
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