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連載 神経学を作った100冊(57)
パーキンソン『振戦麻痺に関する論文』(1817)
One Hundred Books which Built up Neurology (57)-James Parkinson "An essay on the shaking palsy" (1817)
作田 学
1
Manabu Sakuta
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology,Japanese Red Cross Medical Center
pp.1026-1027
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101011
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この本は日本にはない。それどころか,故豊倉康夫教授によれば世界中に8冊しか存在が知られていない。例えば,かなり早くにスウェーデンで紹介されているが,肝心の本は彼の地にはないようである。
唯一,個人の蔵書であった本はシカゴのクー(Sydney Kuh)博士を経て,サンフランシスコのノーマン(Haskell F. Norman)博士が所有していた。それは1998年3月にニューヨークのクリスティーズでオークションに掛けられ,1,000万円でどこかに売られていった。冒頭に掲げたのがこのノーマン博士の蔵書である。これはシャルコー(Jean-Martin Charcot;1825-1893)がマンチェスター大学図書館のウィンザー(Windsor)氏から原本を手に入れたまさにその書物である。左上には「Thomas Windsor Feb, 1888」とある。シャルコーは1888年6月12日の火曜講義で,このいきさつを書いている2)。
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