古典紹介
E. Esquirol Des hallucinations(1817)【第2回】
濱中 淑彦
1
,
高林 功
2
Toshihiko HAMANAKA
1
,
Isao TAKABAYASHI
2
1資生会八事病院
2義興会可知病院
1Shiseikai Yagoto Hospital, Nagoya, Japan
2Gikoukai Kachi Hospital
pp.579-588
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101440
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(第51巻5号より続く)
〈症例7〉 D氏は医学博士,背が高く力強い体質で多血質,頭は大きく広い額の片方が他方より突出し碧眼,顔は生き生きとして荒々しく頑固な性格を持っており,いわゆる生理学的学説の極端な信奉者なのだが,この学説を助言や著作によって広めるだけでは決して満足せず,自分の実例を通じて普及しようとする人物である。時々自分に瀉血を行い,厳しい食養生法に服し,頻繁に入浴する。彼は,ある対診において自分と医学的見解を共にしない同僚たちに決闘を挑むこともあった。
36歳(1822年8月):片方の眼球麻痺と一方の口角が麻痺し,一過性のデリールを伴った。
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