Japanese
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連載 神経学を作った100冊(44)
ブラウン・セカール『中枢神経系の生理学と病理学の講義録』(1860)
One Hundred Books which Built up Neurology (44)-Charles-Édouard Brown-Sequard "Course of Lectures on the Physiology and Pathology of the Central Nervous System" (1860)
作田 学
1
Manabu Sakuta
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology,Japanese Red Cross Medical Center
pp.904-905
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100742
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マダガスカルの東,数百海里に位置するモーリシャス島は18~19世紀にかけてドイツ,フランス,イギリスと統治国が変わり,またインド商人の貿易中継地として栄えたため現在まで雑多な民族が同居する地域である。この地に生まれ育ったことがブラウン・セカール(Charles-Édouard Brown-Sequard;1817-1894)のコスモポリタンな一生を規定したのだった。
1817年4月8日にアメリカ人の船長とフランス人の母との間にブラウン・セカールは生まれた(Fig.1)2)。1838年にパリに出て,医学校(École de Médecine)に入学し,1842年にはトルーソー(Armand Trousseau; 1801-1867)のエクステルヌ(実習医)となったが,その頃感染症と母の死が彼を襲った。
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