Japanese
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連載 神経学を作った100冊(33)
デュシェンヌ「運動の生理学」(1867)
One Hundred Books which Built up Neurology (33)-Guillaume-Benjamin-Amand Duchenne (de Boulogne) "Physiologie des Mouvements" (1867)
作田 学
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology,Japanese Red Cross Medical Center
pp.1098-1099
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100562
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本書はデュシェンヌの多くの著作の中で,最もユニークで重要なものの1つと思われる。彼はその序文の中で,約20年間を筋の電気刺激の実験と臨床観察をもって運動の生理学の解明に費やしてきたと述べている(Fig.1)1)。
「随意運動は意図的であれ,自動的であれ,複数の筋肉の収縮が組み合わさって実行される。その運動が合目的に遂行されるためには,その運動に参加する筋肉が時間的にも,空間的にも統一されて収縮しなくてはいけない」2)が,デュシェンヌは,初めてこの協調運動を重視した。そして,生きているときに筋が持っている機能を,随意運動をつかさどるものとして,あるいは調節機能や相互作用によって異常な運動を防ぐものとして,さらにそれらの筋張力のバランスによって安静時にも正常の肢位をとるものとして研究した1)。
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