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連載 神経学を作った100冊(32)
デュシェンヌ「局所電気刺激」(1855,61,72)
One Hundred Books which Built up Neurology (32)-Guillaum Ducenne "(de Boulogne) De L'Électrisation Localisée" (1855,61,72)
作田 学
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology,Japanese Red Cross Medical Center
pp.994-995
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100547
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デュシェンヌ・ド・ブーローニュ(Guillaum Benjamin Amand Duchenne: 1806-1875)は神経学を作り上げた巨頭の1人である。彼の生まれたBoulogne-sur-Merはドーバー海峡に面した美しい地方都市で,Googleで検索してみると,ヨットが浮かんだリマニ港や円形の大聖堂のドームなどをみることができる。彼はパリから帰ってブーローニュで開業をしていたが,そのなかで,ファラデー電流が経皮的に筋肉を刺激してその収縮を起こすことを発見した。再びパリに出たデュシェンヌは,局所電気刺激法を武器に次々と筋疾患,神経疾患を見出していった(Fig.1)1)。なかでもデュシェンヌ型筋ジストロフィー症の記載はその頂点をなしている。
デュシェンヌの報告以前にも筋ジストロフィー症は当然あったわけだが,1830年のイギリスのチャールス・ベルの記載は有名である2)。その一部を紹介しよう。
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