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もうだいぶ前のことになってしまったが,2007年10月,京都において日本自律神経学会と日本学術会議の共同主催によって第5回国際自律神経科学会議が開催された。日本で開催される自律神経関係の国際学会としては,これが3回目であり,4日間にわたる会期中,内外から約430名の参加者があった。この学術集会の中で極めて人気の高かった企画の1つは,Microneurographyのハンズオン・セミナーであった。本特集の著者である,岩瀬,長谷川,新藤,國本の4氏が,参加者に対し実際のテクニックのデモンストレーションをその場で行って,多くの参加者に深い感銘を与えた。そのハンズオン・セミナーの成功を目の当りにした筆者は,本誌でMicroneurographyの特集を組もうと考え,同セミナーの企画者であった國本雅也氏に編集を依頼した。そういった経緯ででき上がったのが今回の特集である。
わが国ではMicroneurographyの研究者が比較的多く,特に臨床の場での自律神経研究において,この方法を用いている研究者が少なくない。そして,今日のようにMicroneurographyの研究がわが国に広まり,多くの研究者が輩出するに至った背景として,Microneurography研究の先頭に立ち,「ニューログラム研究会」を牽引してこられた間野忠明先生の多大な貢献を忘れることはできない。実際,わが国におけるMicroneurographyの研究者のほとんどは,間野先生から直接あるいは間接的に教えを受けていると言っても過言ではないだろう。そのような意味において,本研究方法の真の開拓者である間野先生ご自身に,本特集号の目玉とも言うべき冒頭論文をご執筆いただけたことに,編集者の1人として心から満足している次第である。
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