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あとがき
岩田 誠
pp.1402
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101088
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本号をもって,私は,『BRAIN and NERVE』の編集の仕事から解放していただくこととなった。本誌の前身である『神経研究の進歩』の編集幹事にさせていただいたのは1984年1月であり,丸28年間にわたり本誌の編集に携わってきた。大学を卒業してから今年は45年目であるから,卒業後の人生の半分以上を,本誌とともに歩んできたことになる。私が『神経研究の進歩』の編集幹事になったときには,藤澤浩四郎先生,酒田英夫先生,金澤一郎先生,そして今は亡き近藤喜代太郎先生が編集幹事でおられ,毎回の編集委員会では,これらの先生方からさまざまなことを教えていただき,本当に勉強になった。医学雑誌の編集という仕事は,これが初めてであったが,恩師豊倉康夫先生がご自分の雑誌『神経内科』でなさっておられた方法を真似て,特集原稿は,できるだけ若く,将来わが国のリーダーとなっていくであろうと期待されるような,新進気鋭の方々に,執筆を依頼するように心がけた。そのような考えから,初めて責任編集させていただいたのは,『神経研究の進歩』1986年10月号の特集,「注意と注意障害」であった。この特集では,当時はまだほとんど無名の研究者であった故田辺敬貴先生に,消去現象の総説執筆を依頼したが,あまり注目されていなかったテーマで,これほどの優れた総説を書くことができるその才能に,編集者として感激したことを,今でも鮮明に思い出す。
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