Japanese
English
連載 神経学を作った100冊(27)
マーシャル・ホール 「脊髄反射神経系の概要」(1850)
One Hundred Books which Built up Neurology (27)-Marshall Hall "Synopsis of the Diastaltic Nervous System" (1850)
作田 学
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology,Japanese Red Cross Medical Center
pp.330-331
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100455
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
1836年に“Lectures on the Nervous System”(本連載第8回,59巻8号参照)を出版したマーシャル・ホール(Marshall Hall)は,1850年4月にRoyal College of Physiciansにおいて,Croonian Lecturesを講演した。この講演の概要をまとめたものが1850年に出版された「脊髄反射神経系の概要」であり,この書物はホールの反射研究の集大成となった(Fig.1)1)。この著書の3頁目にdiastaltic movement(脊髄反射運動)と名づけたのは,peristaltic movement(蠕動運動)との対比によるものとしている。このほかにも,精神と脳,反射と脊髄,蠕動と神経節とを対比している(p.29)。彼は本書の中で,diastaltic nervous arc(脊髄反射神経弓),esodic nerve(求心性神経),spinal centre(脊髄中枢),exodic nerve(遠心性神経)などの新語を編み出した。またspinal shockの語を用いたのも彼が最初である。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.