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あとがき
川島 隆太
pp.294
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100071
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今号では分子イメージングを特集しました。わが国では,理化学研究所や放射線医学総合研究所を中心に巨額な予算を使った国家プロジェクトが走っていることを,報道で聞いたことがある読者の方もいらっしゃるのではないかと思います。しかし,実際に分子イメージング研究の全体像や詳細は,聞きなれない新しい言葉であることもあり,よく知らなかった方が多いのではないでしょうか?
巻頭の福田先生の総論にあるように,現在,分子イメージング研究とは,臨床のPETやSPECTを用いた非侵襲的脳機能イメージングから,細胞・分子レベルの光イメージングまで,さまざまな領域を包括しています。臨床医学と直接関連する新領域研究としては,生体内の薬物動態の観察が可能なことから,分子イメージングの創薬への応用が始まっています。また,小野先生の論文にあるようにβアミロイドのイメージングから,アルツハイマー病の早期診断や治療への応用が少しずつ見えてきており,これらの研究の進展が大いに期待されるところであります。
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