海外文献紹介
加糖飲料に課税を行うと,加糖飲料の購入は減少し,非加糖飲料の購入が増える
廣田 尚紀
1
,
中神 朋子
1
1東京女子医科大学 糖尿病センター
pp.77-78
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200593
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加糖飲料は肥満や多くの冠動脈疾患と関連していることが以前から知られていました.そのため,WHOは健康状態の改善のために,加糖飲料へ課税し,それらの飲料を高額に設定して摂取量を減らすように各国に呼びかけてきました.企業が出資している研究を除いては,多くの研究でカロリーのある飲み物を飲む際にヒトは食事量を減らそうとしないことがわかっています.カロリーの帳尻合わせが行われない理由として,これまでの研究では2種類のホルモン,グレリンとインスリンによる影響と考えられています.グレリンは食欲亢進ホルモンで,通常は血糖値の上昇とともに分泌が抑制されますが,一部の加糖飲料では抑制されないのです.したがって,加糖飲料の摂取を減らすことは,体重を減らし,心血管系の問題を軽減することにもつながります.
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