小児保健
イオン飲料などの多飲による健康被害
奥村 彰久
1
1愛知医科大学小児科
キーワード:
ビタミンB1
,
イオン飲料
,
Wernicke脳症
,
脚気
Keyword:
ビタミンB1
,
イオン飲料
,
Wernicke脳症
,
脚気
pp.81-87
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000316
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
日本小児連絡協議会栄養委員会は,イオン飲料などの多飲によるビタミンB1欠乏症について調査を行った.全国実態調査では33例の情報を収集し,養育環境の問題を高率に認めた.ビタミンB1欠乏症の症状は非特異的であり,約半数の症例に後障害を認めた.保護者意識調査では,少数ではあるが,子どもにイオン飲料を多く飲ませている保護者を認めた.このような保護者は,イオン飲料に対する肯定的評価が高率であった.医師意識調査では,医師のイオン飲料に対する意識はおおむね適切であった.イオン飲料などの多飲によるビタミンB1欠乏症の頻度はまれであるが,その危険性を周知することが新たな症例の発生を防ぐために重要である.
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.