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肥満の若者ではブドウ糖と果糖に対する脳の反応が異なる—砂糖は依存性があるか?
細井 雅之
1
,
小原 正也
1
,
薬師寺 洋介
1
1大阪市立総合医療センター糖尿病内分泌センター 糖尿病内科
pp.816-819
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200530
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食物は快中枢を刺激することが知られており,この中枢が麻薬やアルコールでも刺激されることから,砂糖(ブドウ糖と果糖による二糖類)も依存性があると考えられています.砂糖および甘味料含有飲料の消費増加が肥満者の増加と関連しています.若者は最も添加砂糖を摂っており,摂取カロリーの約20%が砂糖であり,その約50%は甘味料含有飲料1)由来です.果糖でなくブドウ糖は,やせた大人では空腹感を調節する部位(視床下部),報酬-動機づけに関わる部位(線条体)の血流を低下させることが報告されています1).砂糖はブドウ糖に分解され,脳の主要なエネルギー源となりますが,大量に摂ると特に脳の重要な成長期には報酬-動機づけ行動が不適切なものになると報告されています1).
この論文では,最も一般に消費されている単純糖質のブドウ糖と果糖を飲用した時の脳血流を,やせた若者と肥満の若者でfunctional MRI(機能的MRI)を使って検討しています.
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