特集 病理でガッテン!糖尿病—患者さんをも変えるミクロ画像
Ⅲ特別寄稿
—うたかたの記2012—医学生ランゲルハンスの膵島発見を巡って
八木橋 操六
1,2
1弘前大学大学院医学研究科分子病態病理学
2公益財団法人額田医学生物学研究所
pp.210-216
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200374
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はじめに
インスリンを分泌する,膵臓全体に散りばめられた神秘的な島,それがランゲルハンス島である.糖尿病でダイナミックな変化を示す島でもあり,その成り立ちを解明する努力が続けられている.しかし,この島がどのように発見され,そしてその発見者がどのような運命を辿ってきたのかについては広く知られていない.ここでは,ポール・ランゲルハンス(Paul Langerhans)が医学部3年生の時に,時の指導者,「病理学の父」とも呼ばれたルドルフ・ウィルヒョウ(Rudolf Virchow)や「酵素」の命名者ウィルヘルム・キューネ(Wilhelm Kühne)との対話を中心に,膵島発見に至った経過を辿ってみよう.
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