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第5土曜特集 糖尿病治療・研究の最前線2021
基礎研究
膵島の発生
The development of pancreatic islet
氷室 美和
1
,
綿田 裕孝
1
Miwa HIMURO
1
,
Hirotaka WATADA
1
1順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学
キーワード:
膵内分泌細胞
,
転写因子
,
分化
,
β細胞新生
Keyword:
膵内分泌細胞
,
転写因子
,
分化
,
β細胞新生
pp.379-382
発行日 2021年1月30日
Published Date 2021/1/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27605379
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膵臓の多くを占める膵外分泌細胞と,膵島を形成する膵内分泌細胞は発生過程において,同じ膵前駆細胞から複数の段階を経て分化する.これまで細胞系譜解析やノックアウトマウスの解析により,この過程が周囲の組織,細胞からのシグナルと,その結果発現が誘導されるさまざまな転写因子によって制御されていることが明らかとなっている.これらの知見に加えて,近年,終末分化を遂げた膵内分泌細胞が代謝ストレス下で脱分化や異なる細胞へ分化転換し細胞運命が変わることも報告されており,膵内分泌細胞の可塑性が示されてきている.この制御メカニズムを理解することは,糖尿病で質的・量的に障害されている膵β細胞を補うための新規治療戦略を開発するうえで非常に重要であるが,すべての膵内分泌細胞の分化過程が明らかになっているわけではない.今後,さらに膵内分泌細胞の分化過程・可塑性の理解が進み,その知識を通じて,糖尿病再生医療の発展につながることが期待される.
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