コーヒーブレイク
うたかたの記(1)
屋形 稔
1
1新潟大学
pp.1515
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905274
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行く河の流れは絶えずして,しかも,もとの水にあらず.淀みに浮かぶうたかたは,かつ消えかつ結びて,久しく止まりたる例なし.世の中にある人と栖と,又かくのごとし.
方丈記の有名な序文であるが,私達の人生は,ふり返ってみるとまことにかくの如くである.若い人にとってぴんとこないかもしれないが光陰は矢の如くで,過ぎ去ってみるとすべて一場の夢で老いは誰にもたちまち訪れるものである.暫くは私も消えかつ結んだうたかた(水の泡)の1つ1つをとりあげてみようと思う.
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