コーヒーブレイク
うたかたの記(2)
屋形 稔
1
1新潟大学
pp.1674
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905303
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同学の人で年長者との別れはある程度やむを得ないが,若い人に有為転変が起こることは予期しないことでもあり,痛い思いをすることが多い.
内科の内分泌研究室にいた頃,机を並べていた2人の後輩を相次いで失ったことがあった.坂内昇君は副腎ホルモンの測定法や治療法の開発を手伝ってくれた人で,学究肌であったがスポーツマンで野球やバレーボールも共に楽しんだ.学位論文ができあがると発足早々の国立がんセンターの検査室に赴任,間もなくベーラー大学に数年留学して最新のステロイドガスクロマトグラフィーの仕事を土産に帰国した.これは当時注目を浴び彼の最盛期であったが,程なく自分の病院の一室で癌死することになってしまった.病院ではseri-ous君というニックネームだったと聞き余計に暗然とした.
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