連載 おもしろ 医人 ヒストリー
(第40回)
「膵臓の機能の解明までの50年:ランゲルハンスの見つけた9つの細胞とは?」
小橋 由紋子
1
1日本大学病院放射線科
pp.1190-1191
発行日 2025年11月19日
Published Date 2025/11/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000002367
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このエッセイもとうとう40回になった。私の所属する病院もとうとう3つ目に突入,この3年と少しの間に随分いろいろ変わるものである。整形外科の先生には馴染みが少ないと思うが,近年膵内分泌腫瘍(と消化管の内分泌腫瘍)に対する放射線治療としてRI内用療法というのが盛んになっている。ソマトスタチン受容体を発現している膵内分泌腫瘍(代表的な疾患でガストリノーマやインスリノーマ,非機能性などもある)が対象で,ルテチウム-177というβ線(と少しのγ線)を放出する核種を静脈内注射して腫瘍に集積させるのである。腫瘍にソマトスタチン受容体がしっかり発現していれば,抗腫瘍効果は抜群である。もちろん,ソマトスタチン受容体が発現しているか否かを調べてからルテチウムの投与を行うわけで,そのための事前検査としてインジウム(111-In)という核種を用いたペンテトレオチドという核医学検査を行っている。高分化な神経内分泌腫瘍はソマトスタチン受容体の発現率が高くペンテトレオチドの集積が高い傾向がある。
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