連載 援助場面からまなぶ家族看護学・11
家族援助ができない理由わけ
渡辺 裕子
1
,
鈴木 和子
1
1千葉大学看護学部家族看護学講座
pp.452-455
発行日 1996年5月1日
Published Date 1996/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905084
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
昨年7月この連載が始まってからいままで,私は多くの現場の看護職の方々と家族援助について語り合いました.そして,ほとんどの方々は,これまでの看護職としての経験から,患者のみではなく患者を含めた家族を援助の対象として,その家族のセルフケア機能を高める援助が必要であると感じ,それができる看護職になりたいと願っておられました.しかし,実際に病棟でそれをどう展開するかと具体的な姿を思い浮かべたとき,彼らの表情は曇りがちになって,明日への一歩に結びつけるには,それぞれに整理しなければならない問題があるようでした.
いくら家族援助が必要だ,大切だと述べても,それが絵に描いた餅ではなんの意味もありません.そこで,このシリーズもあと2回を残すのみとなった今回,これまで看護職の方々と話し合ってきた「家族援助ができないわけ」を皆さんと考えていきたいと思います.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.