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特集 2型糖尿病診療における15のコントロバシー
Ⅳ糖尿病の代謝管理
糖尿病患者における血圧管理はどこまで厳格であるべきか―異論/争論,私の意見
Which level of blood pressure targets should we recommend for patients with diabetes?:The controversy and my opinion
安孫子 亜津子
1
1旭川医科大学内科学講座 病態代謝内科学分野
キーワード:
①管理目標血圧
,
②アルブミン尿
,
③血管合併症
Keyword:
①管理目標血圧
,
②アルブミン尿
,
③血管合併症
pp.387-390
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101522
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はじめに
糖尿病患者では高血圧合併例が多い.これまでに,糖尿病患者に対する血圧管理が糖尿病腎症および大血管合併症の発症や進行を抑制できることが,多くの降圧薬による臨床研究で証明されてきた.
現在わが国では,糖尿病患者の管理目標血圧は130/80mmHg未満としている.これは,日本高血圧学会が発表した『高血圧治療ガイドライン2009』の糖尿病合併例での血圧コントロール目標を基準としている.
米国糖尿病学会では,糖尿病患者の管理目標血圧を140/80mmHg未満とすることをADA 2013 Clinical Practice recommendations〔Diabetes care 36(suppl 1), 2013〕で発表した.ただし,若年患者などで可能な症例では130/80mmHg未満を推奨しており,逆に120/80mmHg以上となる場合には,生活習慣の改善を図るように指導を開始すべきであるともしている.
糖尿病患者を対象とした最近の大規模試験の結果から,血圧をより厳格にコントロールすることの意義が再度問われている.糖尿病患者が本当に目指すべき血圧はどの程度であるべきなのかを考えてみたい.
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