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特集 2型糖尿病診療における15のコントロバシー
Ⅱ日本人2型糖尿病の治療
運動療法はどこまで科学的に指導できるか―異論/争論,私の意見
Evidence for effects of physical training on diabetes mellitus
押田 芳治
1
,
石黒 哲也
2
1名古屋大学総合保健体育科学センター
2石黒内科クリニック
キーワード:
①インスリン抵抗性
,
②有酸素運動
,
③無酸素運動
,
④レジスタンス運動
Keyword:
①インスリン抵抗性
,
②有酸素運動
,
③無酸素運動
,
④レジスタンス運動
pp.339-341
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101513
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はじめに
糖尿病に対する運動療法が,主要な病態生理学的特徴の1つであるインスリン抵抗性の改善を通して,食後高血糖やグリコヘモグロビンA1c(HbA1c)値を是正し,糖尿病の発症予防および進展防止,すなわち糖尿病特有の合併症(神経障害,網膜症,腎症)や大血管障害(動脈硬化症)の阻止を目的としていることは周知の事実である.にもかかわらず,糖尿病の診療現場では,薬物療法,食事療法に比べ,運動療法への認識や実施状況が十分とはいえない.そこで,2007年に日本糖尿病学会「糖尿病運動療法・運動処方確立のための学術調査研究委員会(委員長:佐藤祐造教授)」が発足し,種々にわたり調査を行った.本稿ではまず,運動療法が十二分に普及していない要因について上記委員会報告1)の概略を紹介し,次に,運動療法に関するコンセンサスを述べる.
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