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特集 2型糖尿病診療における15のコントロバシー
Ⅰ日本人2型糖尿病の病態
膵β細胞の容量と機能は経年的に低下するのか,またインクレチン製剤は有用なのか―異論/争論,私の意見
Age-related changes of β cell mass and β cell function, and the efficacy of incretin treatment. Its controversy and my view
八木橋 操六
1
1弘前大学大学院医学研究科 分子病態病理学
キーワード:
①β細胞容量
,
②老化
,
③β細胞機能
,
④インクレチン
Keyword:
①β細胞容量
,
②老化
,
③β細胞機能
,
④インクレチン
pp.321-325
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101510
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2型糖尿病で膵β細胞容量の減少が報告されて以来,糖尿病での膵ランゲルハンス島(以下膵島)の病理所見が注目されるようになった.わが国の糖尿病者はインスリン分泌不全を主とするが,肥満の目立つ欧米での糖尿病者ではインスリン抵抗性が主体である.欧米人とわが国の糖尿病者が同じような病理所見を示すのか,あるいは異なったものであるのかは十分な検討はなされていない.民族や,生活習慣の違いにより,糖尿病の病態が異なるものであるならば,わが国独自での病態・病理を明らかにし,それによる独自の対策が必要となる.本稿では,欧米人における膵島の発達,加齢変化,2型糖尿病での所見をまとめ,それらをわれわれが行ってきた日本人でみられる変化と比較し,その意義について述べる.また,インクレチン療法の期待について私見を述べる.
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