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特集 2型糖尿病診療における15のコントロバシー
Ⅱ日本人2型糖尿病の治療
注射製剤のポジショニング
GLP-1受容体作動薬のポジショニングと使い分け―異論/争論,私の意見
Clinical positioning of GLP-1 receptor agonists in type 2 diabetes mellitus
中﨑 満浩
1
,
石原 寿光
1
1日本大学医学部 糖尿病代謝内科
キーワード:
①2型糖尿病
,
②GLP-1受容体作動薬
,
③リラグルチド
,
④エキセナチド
Keyword:
①2型糖尿病
,
②GLP-1受容体作動薬
,
③リラグルチド
,
④エキセナチド
pp.351-354
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101515
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GLP-1受容体作動薬であるリラグルチド(ビクトーザ®)とエキセナチド(バイエッタ®)が,臨床の場で使用されるようになってから2年以上が経過した.単独使用では低血糖をきたすことがほとんどなく,食前および食後血糖値を改善し,体重減少が期待できるので,特に肥満2型糖尿病患者の治療に用いられている.GLP-1受容体作動薬の主な作用は膵β細胞からインスリンを分泌させることであるから,その使用にあたっては膵β細胞の量および機能が残存していることが必要不可欠となる.実臨床でGLP-1受容体作動薬を使用する指標は確定していないが,罹病期間が短いという条件は理に適っていると考えられる.また,2型糖尿病モデル動物では膵β細胞を保護・再生する作用も認められており,早期から使用することで経口血糖降下薬の二次無効を軽減させ,長期間にわたって良好な血糖コントロールを維持する作用が期待されている.
本稿では,GLP-1受容体作動薬製剤のそれぞれの特徴と,2型糖尿病治療における位置づけについて概説する.
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