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特集 糖尿病合併症とその治療に関するエポックメーキングトピックスの展開
厳格な血糖コントロールの重要性が言われて17年:その波紋
Update on strict glycemic control since its value was proved 17 years ago:challenges
辻井 悟
1
1天理よろづ相談所病院糖尿病センター
キーワード:
①1型糖尿病
,
②2型糖尿病
,
③HbA1C
,
④糖尿病合併症
,
⑤強化インスリン療法
Keyword:
①1型糖尿病
,
②2型糖尿病
,
③HbA1C
,
④糖尿病合併症
,
⑤強化インスリン療法
pp.423-428
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101079
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□はじめに
1型,2型糖尿病のいずれの患者も,網膜症・腎症・神経障害など,重篤な結果に至る慢性合併症のリスクを有している.糖尿病は心血管疾患発症の重要な危険因子でもある.1993年に発表された1型糖尿病に対する大規模臨床試験のDiabetes Control and Complications Trial(DCCT)1)を皮切りに,血糖コントロールを改善することが合併症を避けるために不可欠であることが確かめられてきた.その結果,各国の治療ガイドラインに明示されているように,臨床医は至適な代謝コントロールが糖尿病の治療目標であることは承知している.しかし,実際の適用に際しては,厳格なコントロールの必要性への合意や理解が実行に直結しているわけではない.治療に対するさまざまなアプローチにより,至適な代謝コントロールの達成効果が異なる.DCCT以降,厳格な血糖コントロールの反響が種々の分野に波及しているので概説する.
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