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特集 糖尿病合併症とその治療に関するエポックメーキングトピックスの展開
食後高血糖の心血管障害(大血管障害)への影響および管理の重要性が唱えられて10年:本当にそれは証明されたのか
Try to answer a debated question of the last 10 years:Is postprandial hyperglycemia an independent risk factor for cardiovascular disease?
高池 浩子
1
,
内潟 安子
1
1東京女子医科大学糖尿病センター内科
11
キーワード:
①食後高血糖
,
②糖尿病大血管障害
Keyword:
①食後高血糖
,
②糖尿病大血管障害
pp.429-433
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101080
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□はじめに
1型糖尿病を対象にした大規模臨床試験DCCT(Diabetes Control and Complications Trial)や,2型糖尿病を対象にしたUKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)において,約10年間の厳格な血糖コントロールによって細小血管障害の発症リスクが軽減する一方で,大血管障害は細小血管障害ほどには良好な血糖コントロールだけで抑制できないという結果も,また明らかにされた.
2型糖尿病患者においては患者の約40~50%が心筋梗塞や脳梗塞などの大血管障害で死亡し,寝たきりや認知症に陥っているのが現状である.したがって,大血管障害の発症・進展をいかに予防するかが,細小血管障害の抑制はもちろんのことであるが,増加の一途をたどる糖尿病人口の長期予後を決定する因子として非常に重要となる.
1999年に検診データを中心にしたDECODE試験1)(Diabetes Epidemiology Collaborative analysis of Diagnostic Criteria in Europe)や舟形町研究2)が相次いで発表され,食後血糖の管理の重要性が唱えられはじめた.約10年経った今,糖尿病の治療がどう変化し,心血管疾患は予防できるようになったのかを検証したい.
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