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特集 1型糖尿病のトータルケア
Ⅱ.1型糖尿病の膵島保護および移植
ここまで進んだ免疫療法
Immunotherapy for the prevention and treatment of type 1 diabetes : recent advances in human trials
高橋 和眞
1
1岩手医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科分野
pp.197-202
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101039
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□はじめに
1型糖尿病は,若年で発症することが多く罹病期間が長くなる,また内因性インスリン分泌が著明に低下し厳格な血糖コントロールに到達しにくい,などの理由からより若年で大血管・細小血管合併症が重症化する予後不良な疾患である.膵β細胞に対する自己免疫反応が始まる前,すなわち,自己抗体が出現する前にそれを阻止する一次予防,あるいは,膵β細胞の破壊を最小限にくい止め糖尿病発症を阻止する二次予防,発症早期の患者に介入し内因性インスリン分泌を維持する三次予防は懸案であり,現在TrialNet(http://www.diabetestrialnet.org/about/index.htm)やImmune Tolerance Network(http://www.immunetolerance.org/)が組織され,免疫療法の臨床試験が進行しつつある.本稿では,1型糖尿病の予防を目的とした免疫療法について概説する.
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