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特集 悪性腫瘍を見逃さない
診療所での糖尿病患者の悪性腫瘍のスクリーニングをどうするか
Screening for malignant tumors in the clinical practice
大久保 雅通
1
1内科久安医院
キーワード:
①死因
,
②悪性腫瘍
,
③早期診断
,
④血糖コントロール
,
⑤体重減少
Keyword:
①死因
,
②悪性腫瘍
,
③早期診断
,
④血糖コントロール
,
⑤体重減少
pp.273-276
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100583
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糖尿病診療において血糖コントロールのみに終始してはならない
なぜ日常臨床において悪性腫瘍に注意しなければならないか
糖尿病は全身の血管に障害をきたす疾病であり,その治療において血管障害の原因となる血糖,血圧,脂質の異常を是正することが重要である.特に糖尿病専門医であれば,これらの治療(説明や指導)に多くの時間を割く傾向があるのは否定できない.しかし糖尿病患者の死因の第1位は,一般と同じく悪性腫瘍であることを念頭に置き診療にあたる必要がある1)(Box 1).確かに糖尿病患者の血管障害による死亡は一般よりも高率であるが,悪性腫瘍の割合も一般より高いことは意外と忘れがちな点である.
筆者がこの5年間に経験した糖尿病患者の悪性腫瘍は,胃・大腸・食道・皮膚各2例,肺・乳腺各1例(乳腺以外は男性)で,胃癌の1例が残念ながら亡くなられた.10例中5例(食道・大腸各2例,胃1例)は検診あるいは定期的検査による発見例であった.同じ期間に血管障害で亡くなった患者も1例であるので,日常診療において悪性腫瘍の早期診断に努めることは血管障害の管理と同様に重要と思われる.
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