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1) 診療所の医師と病院勤務医とが糖尿病診療への共通認識をもち,良好な血糖コントロールと糖尿病合併症防止を共通アウトカムとして地域ぐるみで診療を実施する.
2) 泉大津(Tips 1)での病診連携のツールとして糖尿病地域連携クリニカルパスを作成し,運用を開始した.
3) その過程にて,既成の病診連携の会や医師会総会を活用して検討を重ね,双方納得できる連携パスづくりをし,運用後のパス評価のために評価表を別途作成した.
糖尿病地域連携パスとは
糖尿病地域連携パスとは,糖尿病入院クリニカルパス(Tips 2)の患者を,退院後糖尿病外来診療スケジュール表に沿って連携先の診療所で継続的に診察し,6カ月に1回は病院診療を行って,良好な血糖コントロールを維持し糖尿病合併症を防止するという共通のアウトカムをもって糖尿病診療を行うツールである.連携パスには退院時情報として,糖尿病分類,合併症,身長,体重,標準体重,BMI,腹囲,糖尿病食単位数を記入する欄が左端にある.上段にアウトカム欄があり,毎月診療所で診察を受け,体重,血圧測定,血液・尿検査を受ける.腹囲測定は6カ月に1回とした.眼科受診は網膜症の程度により,網膜症なしの場合年1回,単純網膜症の場合6カ月に1回,前増殖~増殖網膜症の場合1~2カ月に1回行う.動脈硬化の検査として,頸動脈エコーは6カ月に1回,ABI(下腿・上腕血圧比)は1年に1回,心エコーも1年に1回施行する.これらの検査は診療所あるいは病院にて施行する.スタッフ用連携パス(Box 1)に沿って患者用連携パス(Box 2)が運用される.患者は診療所および病院診療を受ける場合,糖尿病手帳(日本糖尿病協会発行)を持参し,測定・検査結果を記載する.6カ月後,12カ月後にパス通りに診療が施行されたか,良好な血糖コントロール達成や合併症発症・進展の有無を評価する(Box 3).連携パスには病院での栄養指導や糖尿病教室への参加を組み込んであり,患者の学習機会を提供している.
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