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特集 薬物療法の「常識」はいまも常識?
蛍光眼底検査時にはメトホルミンは中止?
Is it necessary to stop taking metformin prior to performing fluorescein angiography?―Metformin-associated lactic acidosis following contrast media-induced nephrotoxicity
浜口 朋也
1
,
難波 光義
1
1兵庫医科大学内科学糖尿病科
キーワード:
①ビグアナイド
,
②造影剤腎症
,
③乳酸アシドーシス
,
④蛍光眼底検査
Keyword:
①ビグアナイド
,
②造影剤腎症
,
③乳酸アシドーシス
,
④蛍光眼底検査
pp.48-49
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100907
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メトホルミンは一般的に血管造影検査時には,前後3日間は中止といわれます.どんな造影剤でも服用を中止するべきなのかお教えください
□ヨード造影剤使用ではメトホルミンの使用中止が必要
ヨード造影剤の使用に当たって,グリコラン®やメルビン®などのメトホルミンを成分とする薬剤の添付文書では「相互作用」の欄で併用注意として記載されており,メトホルミンの服用一時中止などの処置をとるよう注意を喚起している.また,全てのヨード造影剤の添付文書においても同様に,ビグアナイド薬との併用について「相互作用」欄で同様の注意喚起を行っている.両薬剤の併用において注意が必要な理由として,ヨード造影剤による,いわゆる造影剤腎症を発症する危険性が挙げられている.メトホルミンはほぼ100%が腎排泄性であるため,造影剤投与後に腎機能がある程度以上低下するとメトホルミンの血中濃度が急上昇し,致死的な副作用である「乳酸アシドーシス」(Tips 1)をきたす可能性が懸念されるからである.事実,ヨード剤との併用による乳酸アシドーシスの発症が疑われる事例も国内外で報告されている.
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