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血糖自己モニタリング(SMBG)機種選択に関与する因子:高齢者が重視するポイント
藤澤 智巳
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1大阪大学大学院医学系研究科老年・腎臓内科学
pp.431
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100859
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血糖自己モニタリング(self monitoring of blood glucose:SMBG)が重要であることは1型糖尿病のみならず2型糖尿病においても示され(ROSSO研究,Diabetologia 49:271-278, 2006),糖尿病診療ガイドラインにおいても「血糖自己測定はすべての糖尿病患者の自己管理と代謝コントロールのために必要である」(グレードA:行うよう強く勧める)とされる.しかしながら,SMBGはその痛みや手技の煩わしさよりSMBGのみならず糖尿病治療そのもののコンプライアンスにも大きく影響するため,各患者で少しでもコンプライアンスが向上するようにSMBGの機種選択を支援することが大切となる.今回SMBGの機器選択志向に影響する因子に関して,特に高齢者と非高齢者で異なることが明らかとなったので紹介する.
当院内分泌代謝内科入院中で,国内で汎用度の高い機種(グルテストエース(R)-エースレット(R))によるSMBGを習熟した52名の糖尿病患者を対象とした.その操作性,ディスプレー,痛み,血液量などに関する11項目のアンケート(5段階評点)を行った後,他の機種(フリースタイル(R)-フリースタイルフラッシュキッセイ穿刺器(R),ワンタッチウルトラ(R)-ワンタッチウルトラソフト(R),アキュチェックコンパクト(R)-ソフトクリックスミニ(R)のいずれか1つ)へと変更,1週間の使用後再び同じアンケートを行い,最後にどちらの機種を使用したいかの希望についてもアンケートを行った.この使用希望機種の選択を予測する因子を多重回帰により抽出した.
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