今月の主題 糖尿病診療の実際
治療
自己血糖測定(SMBG)—適応と限界
池田 義雄
1
,
南 信明
1
Yoshio Ikeda
1
,
Nobuaki Minami
1
1東京慈恵会医科大学・第3内科
pp.998-999
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219063
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糖尿病のコントロールの目的は,糖尿病性腎症,網膜症などの糖尿病に特有な細小血管障害ならびに神経障害そして動脈硬化などの合併症を防止することにある.そのための方策として血糖を可能な限り正常値に維持するのは不可欠の要因だとされている.
血糖を正常に近づけるための最良の手段として人工膵島が世に送りだされ,糖尿病性昏睡や,手術時などの短期間の血糖コントロールに大きな成果をおさめている.しかし携帯可能に小型化された人工膵島の日常生活への導入には,まだまだ多くの時間を要するものと思われる.そこでインスリン注射療法の不可欠なインスリン依存型糖尿病(IDDM)や厳格なコントロールの要求される妊娠を希望する糖尿病婦人や糖尿病妊婦における血糖のコントロールは無論のこと,合併症の出現やその進展を防止しようとする糖尿病者の全てにおいて,今や血糖の自己測定(Self Monitoring ofBlood Glucose:SMBG)による糖尿病の自己管理方式はきわめて有用な手段として評価されるに至っている1)2)3).
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