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重症低血糖の予知:血糖自己モニタリング(SMBG)の活用
藤澤 智巳
1
1大阪大学大学院医学系研究科 老年・腎臓内科学
pp.641
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100753
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重症の低血糖は糖尿病患者の予後やその後のコンプライアンスにも影響する.こうした重症低血糖を避けるためにはその予知が不可欠となるが,今回血糖自己モニタリング(SMBG)の変動パターンが重症低血糖の予知に有用であるとの結果が米国より報告されたので紹介する.
インスリン治療中の179名の(1型&2型)糖尿病患者を対象とし,150回分のSMBG結果がメモリー可能な機器(ワンタッチウルトラ®)を定期的に郵送・回収することにより,4~6カ月にわたる測定結果をすべて抽出し,「(低血糖)危険指数」を算出した.解析の結果,期間中に重症低血糖(自分で対応不能な昏迷,痙攣と意識消失)がみられた患者では,発症前24時間の“危険指数”は(通常時の“危険指数”より)有意に上昇していた.すなわち,重症低血糖発症の1~2日前から血糖のパターン変化(低下)が観察された.
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