Perspective◆展望
血糖自己測定(SMBG)の課題と展望
大久保 雅通
1
1内科(糖尿病)久安医院
pp.695
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200229
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本誌2巻2号では,「血糖自己測定—限界から可能性へ」と題して,SMBGの歴史から各分野での実際の使い方まで,幅広く特集を行っている.その後10年が経過し,機器(穿刺器具も含め)には改良があったと思われるが,測定そのものについては変化があっただろうか? 今回はSMBGの測定結果をいかに活用するかを中心として,特集を組んでみることとした.
SMBG(self-monitoring of blood glucose)は読んで字のごとく,糖尿病を自己管理するためのツールである.しかし実際の診療においては,測定すること自体が目的になっていると感じる症例が少なくない(第1段階=measurementのレベル).これはSMBGを導入する初期に,測定の目的をきちんと指導することで克服できる可能性が高いと考える.自己管理ノートに数値を記入するだけでなく,外食,運動などその日にあったイベントを記載することで,高い(低い)原因を知ることが可能になるのではないだろうか(第2段階=monitoringのレベル).さらに,高く(低く)しないためにどうすればよいかを考えることによって,初めて自己管理に役立つ有用なツールとなるであろう(第3段階=managementのレベル).
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