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ロシグリタゾンは心筋梗塞を増加させるというメタアナリシス
坂上 慎二
1
1北海道大学病院・第一内科
pp.677
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100754
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チアゾリジン薬のロシグリタゾン(日本では未発売)は心筋梗塞の発症を有意に増加させ,心血管死を有意ではないが増加させる傾向があるというメタアナリシスの結果が報告されました.
チアゾリジン薬は糖尿病患者の大血管障害を予防する効果が期待されているだけに,衝撃的なデータです.心血管疾患による入院・死亡を一次エンドポイントに設定したRECORD試験の中間解析がすぐに発表されましたが,他の糖尿病治療薬と比較してロシグリタゾンが非劣性であることも示すことができず,心筋梗塞発症のハザード比は1.16(95% CI:0.75-1.81と統計学的有意ではないが,ロシグリタゾン群で多い)でした(N Engl J Med 357:28-38, 2007).
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