Japanese
English
特集 悪性腫瘍を見逃さない
糖尿病と消化器癌のスクリーニング
Screening for gastroenterological cancer in diabetic patients
八辻 賢
1
,
橋本 悦子
1
1東京女子医科大学 消化器内科
キーワード:
①糖尿病
,
②消化器癌
,
③NASH
Keyword:
①糖尿病
,
②消化器癌
,
③NASH
pp.269-272
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100582
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早期発見には「まず疑うこと」が重要.糖尿病患者では高頻度に癌が発生するという認識で定期健診を含めた診察を行うべきである.
糖尿病と消化器癌の関係は
日本人の死因の1位は悪性新生物で死因の31.1%を占める.第2位の心疾患は15.5%,3位の脳血管障害は12.5%で動脈硬化性疾患である2つを合わせても28%と癌に及ばない(Box 1).さらに男女別にその詳細を見ると,男性は1位肺癌,2位胃癌,3位肝癌,4位大腸癌,女性では1位大腸癌,2位胃癌,3位肺癌,4位肝癌,5位乳癌,6位子宮癌と続く.つまり,男女とも上位4つのうち3つが消化器癌である(Box 2)1).
糖尿病は動脈硬化性疾患のリスクとして有名だが,癌のリスクファクターでもある.詳細は他稿に譲るが,近年大規模な疫学研究が相次いで報告され,肥満や糖尿病は各種癌のリスクファクターとなることが明らかになった.また,基礎研究においても糖尿病が各種癌を引き起こすメカニズムが明らかにされつつある.
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