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特集 糖尿病診療のアート
名人からコツを学ぶ
糖尿病診療の放置,中断を防ぐためのアート
The art to avoid neglecting or discontinuing the treatment of diabetes mellitus
小森 克俊
1
1大通り内科クリニック
キーワード:
①糖尿病
,
②合併症
,
③血糖コントロール
,
④放置
,
⑤治療中断
Keyword:
①糖尿病
,
②合併症
,
③血糖コントロール
,
④放置
,
⑤治療中断
pp.147-150
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100925
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糖尿病は,その合併症の予防,進展防止のため,生涯にわたって血糖,血圧,脂質などの良好なコントロールが必要である.しかし,実際にはほとんど自覚症状のない状態で通院を継続することは患者の疾病に対する十分な理解と忍耐がなければ時に困難であり,結果として放置,治療中断という事態に至る.平成14年度の厚生労働省による糖尿病実態調査では1),糖尿病が強く疑われる人740万人のうち治療中が50.6%,治療中断が7.1%,治療を受けていないものが41.9%であり,特に健診を受けたことがない人では,89.4%は治療を受けていない(放置と考えられる)と報告されている(Box 1).平成18年の国民健康・栄養調査では2)糖尿病が強く疑われる人が820万人と増加しており放置,中断者も増加していることが予想される.日常診療では放置,中断により糖尿病合併症が進行,重症化することはよく経験される.治療中断歴の有無と糖尿病合併症の有無には明らかな相関がある(Box 2)との報告もあり3),数十万~数百万人と推定される治療中断者,放置者の今後の合併症の進行が心配される.
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