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特集 上手なコンサルテーション
眼科専門医はどのようなタイミングでのコンサルテーションを期待しているか―糖尿病網膜症の治療のタイミングを失わないために
Consultation with ophthalmologists about diabetic retinopathy
福田 全克
1
1NTT西日本大阪病院眼科
キーワード:
糖尿病網膜症
,
糖尿病黄斑症
,
視力障害
,
光凝固
,
硝子体摘出術
Keyword:
糖尿病網膜症
,
糖尿病黄斑症
,
視力障害
,
光凝固
,
硝子体摘出術
pp.643-647
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100504
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Case 1
糖尿病網膜症早期より内科・眼科連携を継続した症例
5歳で1型糖尿病発症の女性.1989年11月(19歳),霧視を自覚したため,内科管理医より糖尿病網膜症の有無についてのコンサルテーションを受けた(HbA1C 8.7%).視力は矯正で両眼とも1.0と良好,検眼鏡では右眼に軟性白斑1個,網膜出血1個のみ,蛍光眼底検査では少数の毛細血管瘤が検出された.以後,年3回程度の眼底管理を継続しているが,34歳の現在まで少数の網膜出血が出没しているのみである.この間,27歳と33歳の時に出産を経験しているが,糖尿病網膜症の進行はみられなかった(妊娠中の平均HbA1Cは5%後半~6%前半).
Case 2
血糖管理が良好となったのに糖尿病網膜症が進行し,手術治療に至った症例
17年前に糖尿病を指摘され,過去10年間HbA1Cは10%台であった.1995年5月,体調不良と神経障害で受診した病院で血糖コントロール不良と糖尿病網膜症を指摘され,血糖管理と光凝固治療を受けてきたが,右視力低下進行,左飛蚊症出現で,1996年2月内科管理医より糖尿病網膜症治療についてのコンサルテーションを受けた(HbA1C 6.7%).視力右(0.3)左(1.0),増殖糖尿病網膜症で,右は黄斑部に輪状の硬性白斑を認め,左は軽度の硝子体出血を来していた.左は硝子体手術前提で光凝固を追加,半年後に硝子体手術を施行した.右はすでに光凝固が行われており経過観察とした.眼底は増殖停止状態となっているが,腎症が進行し2003年2月より透析導入となった.透析導入前後での網膜症進行はみられていない.
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