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Case 1
潜在性の脳血管閉塞がみつかった例
73歳男性,60歳時に健診で高血圧,糖尿病を指摘され,近医で降圧剤,グリベンクラミド(ダオニール)5 mgを投与されていたが,食事指導は受けたことがなく,HbA1C 8~9%とコントロールは不良で,飲酒2合/日,喫煙40本/日であった.また2年前から心拡大,心房細動がありワーファリンを投与されていた.今回突然右半側が見えなくなったため来院した.
身長165 cm,体重65 kg,血圧168/80 mmHg,脈拍70/分不整.眼底に網膜症あり,右半盲あり,四肢の麻痺や腱反射の左右差はない.
血算異常なし,尿蛋白(±),PT 78%(INR=1.15),空腹時血糖235 mg/dL,HbA1C 7.9%,Tcho 158 mg/dL,TG 170 mg/dL,HDL-C 38 mg/dL,心電図で心房細動あり.MRIでは左後頭葉に今回の責任病巣である脳塞栓病変があり,その他にも両側基底核などに陳旧性の小梗塞が多数認められた.MRAでは左内頸動脈高度狭窄,右内頸動脈狭窄所見が認められた(Box 1).
Case 2
両下肢しびれ感で受診し,自律神経症状を指摘された例
64歳男性,25年前に糖尿病を指摘され,以後近医で経口血糖降下薬による治療を受けていた.血糖のコントロール状況は,本人もあまり理解していなかった.1年前から両下肢の冷えとしびれ感が出現し,徐々に増悪し,また時々立ちくらみがするため当科受診した.両上下肢の振動覚の低下,アキレス腱反射の消失を認めた.空腹時血糖205 mg/dL,HbA1C 7.8%,尿蛋白(+),心電図R-R間隔のCV%は1.29と低下していた.Tiltテストでは,臥位血圧137/77 mmHg,45度仰臥位で97/68 mmHgと著明な起立性低血圧を認めた.
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