Japanese
English
糖尿病患者に対するロービジョンケア 第1回
ロービジョンケアとは
What is low vision care ?
高橋 広
1
1柳川リハビリテーション病院眼科
pp.97-100
発行日 2006年1月15日
Published Date 2006/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100441
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
連載に当たって:患者や視覚障害者への視覚リハビリテーションはロービジョンケア(low vision care)といわれ,視覚障害者の保有視機能を最大限に活用してQOL(生活の質,人生の質)の向上を目ざすケアです.その重要性が認識され,各地の病院眼科にロービジョンクリニックが開設されています.対象疾患となる失明原因眼疾患の第1位は糖尿病網膜症といわれていましたが,内科や眼科医療の進歩により最近の身体障害者手帳新規交付者数では,糖尿病網膜症は緑内障についで第2位となっています.しかし,視覚を用いて日常生活が困難となった糖尿病患者は病院には今なお多いのです.このような患者を診ているときに,筆者は視覚的困難が予想されたり,患者が視覚的困難さを訴えた時点で,診察机にある眼底検査用+20 Dレンズを患者の目の前に置きます(Box 1).すると患者はしばしば「見える.見えるぞ」と驚嘆の声をあげます.こうしてロービジョンケアが導入されていくのです(Box 2).しかし,ロービジョンケアを実際に行っている眼科医は未だ少ないのです.まして,糖尿病の治療や支援に当たっている内科医,看護師や糖尿病療養指導士などの中には,その存在すら知らない方もいます.本連載では,糖尿病患者にとってロービジョンケアがいかに有用で,必要であることを述べていきます.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.