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連載 私のロービジョンケア・10
ロービジョンケアにおけるリハビリテーションスタッフの役割
Low vision care (10)
高橋 広
1
Hiroshi Takahashi
1
1柳川リハビリテーション病院眼科
pp.142-149
発行日 2004年2月15日
Published Date 2004/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101030
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はじめに
ロービジョンケアの重要性が次第に認識され,各地の病院眼科にロービジョンクリニックが開設されている1~4)。しかし,病院リハビリテーション部にも少なからず存在する視覚障害をもつ肢体不自由者や脳神経疾患患者は,ロービジョンケアをそこではほとんど享受できないのが現実である。筆者は,2000年1月に視覚障害児・者のためのリハビリテーション(ロービジョンケア)を主たる目的に眼科・視覚リハビリテーション科(以下,当科と略す)を柳川リハビリテーション病院(以下,当院と略す)に開設したが,その当時,医師をはじめとした現場スタッフはロービジョンケアの存在すらほとんど知らなかった。
そこで,職員向けロービジョンケア研修会をまず行い,次に市民向けの講演会を開催してロービジョンケアがいかなるものか病院の全職員に周知を図った。また,リハビリテーション目的で入院している患者が眼科を受診した際,視覚的問題を解決することがその患者のQOL(quality of life)の向上につながり,ロービジョンケアがリハビリテーションの質を上げていくことを具体的にスタッフに教授していった。このように作業療法士,理学療法士や言語聴覚士などとともに考え,訓練していく経験を重ねていくことで,ロービジョンケアへの彼らの理解は確実に進んでいった。本稿ではその代表的な症例を提示する。
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