特集 高齢者のQOLを高める
ミニレクチャー
高齢者のロービジョンケアと遮光眼鏡
高橋 広
1
,
山田 信也
2
Hiroshi Takahashi
1
,
Shinya Yamada
2
1柳川リハビリテーション病院眼科
2国立函館視力障害センター指導課
pp.1046-1047
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101084
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- 文献概要
眼科を訪れる人は,何らかの視覚的問題をもっており,これらを解決するのが眼科医療の使命である.近年の眼科治療,とくに白内障手術や硝子体手術の進歩はめざましく,失明する患者は減少しているが,視機能を回復できない患者がいるのも事実である.このような患者に対し,従来の眼科リハビリテーションは病名や失明の宣言・告知後,速やかに教育・社会リハビリテーションにつなげることを主な仕事としていた.しかし最近は,治療しながら,早期に適切な視覚リハビリテーション(ロービジョンケア,low vision care)を行うべきだとされている.したがって,ロービジョンケアとは,視覚障害者が保有する視機能を最大限に活用してQOLの向上を目指すケアをいう.
人は高齢になると,どんなに健康であっても加齢による眼変化は避けられず(表1),以下のごとく視覚的支障が生じ,ロービジョンケアの対象となる.
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