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特集 外来で糖尿病を治療する―治療困難な症例から学ぶ
α-グルコシダーゼ阻害薬―動脈硬化危険因子群が重積・合併した例にα-グルコシダーゼ阻害薬をいかに使用するか
α-Glucosidase Inhibitor
小沼 富男
1
1東京都江東高齢者医療センター糖尿病内分泌内科
キーワード:
食後高血糖
,
インスリン抵抗性
,
インスリン分泌
,
動脈硬化
,
軽症2型糖尿病
Keyword:
食後高血糖
,
インスリン抵抗性
,
インスリン分泌
,
動脈硬化
,
軽症2型糖尿病
pp.285-289
発行日 2003年5月15日
Published Date 2003/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100390
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Case
動脈硬化危険因子群を重積・合併した軽症2型糖尿病例
患者:54歳,男性,会社役員.
既往歴:特記すべきことなし(腹部手術,腸閉塞の既往なし).
家族歴:糖尿病なし.母が高血圧,脳梗塞で治療中.兄が心筋梗塞の既往あり.
現病歴:6年前に糖尿病を指摘され,4年前からスルホニル尿素薬(グリベンクラミド)1.25 mgを朝食後に服用していた.さらに1年前からそれに併用してメトホルミン250 mgを毎食後に服用している.その間のHbA1Cは7.0~7.5%であり,さらにコントロールの改善を求めて紹介された.
身体所見:身長170 cm,体重77 kg(BMI 26.6 kg/m2),ウエストサイズ93 cm.血圧 134/84 mmHg(α1遮断薬服用中),脈拍72/min,整.頭頸部,胸部,腹部に異常所見を認めず.
深部腱反射低下なし.
検査所見:血算,検尿,検便に異常なし.HbA1C 7.3%,空腹時血糖 142 mg/dL,食後2時間血糖 238 mg/dL,空腹時血中インスリン13.6 μU/mL,血中C-ペプチド1.8 ng/mL,GOT 36 IU/L,GPT 44 IU/L,γ-GTP 84 IU/L,血清総コレステロール(TC)242 mg/dL,トリグリセリド(TG)230 mg/dL,HDL-C 39 mg/dL.尿中アルブミン19 mg/day.眼底に糖尿病網膜症を認めず.心電図は安静時および運動負荷(マスターダブル)時ともに異常なし.腹部超音波検査にて脂肪肝の所見を認めた.
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