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特集 糖尿病診療のエビデンス&プラクティス―欧米のエビデンスを日本でどこまで活かせるか
2型糖尿病患者に関するエビデンス&プラクティス
2型糖尿病患者とライフスタイルの変容―食事・運動療法
Change of lifestyle in type 2 diabetic patients―diet and exercise
津田 謹輔
1
1京都大学人間・環境学研究科
キーワード:
①小太り
,
②グリセミックインデックス
,
③エネルギー摂取量
,
④NEAT(non-exercise activity thermogenesis)
Keyword:
①小太り
,
②グリセミックインデックス
,
③エネルギー摂取量
,
④NEAT(non-exercise activity thermogenesis)
pp.715-718
発行日 2006年9月15日
Published Date 2006/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100301
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・野菜は食事療法の助っ人です.
・日本人では小太りでも要注意.標準体重の20%は超えないように.
・飽和脂肪を控えて,精製されていない食物繊維の多い食品をゆっくりと食べることが大切.日本人の食物繊維摂取量は減っている.
・運動療法は,できれば毎日,少なくても週に3回,20~60分の中等度の強さが望ましい.
・でもまずはこまめに体を動かす「ちょこまか」運動から始めよう.
食事療法,運動療法は糖尿病治療の基本であるが,エビデンスが得にくい領域である.そのなかで多くの論文を評価し,環境要因と糖尿病の関連についてまとめたのがBox 1である.過体重,肥満そして運動不足が糖尿病発症に促進的に働き,逆にそれらを解消することが糖尿病予防に有用である.このことはいろいろのエビデンスからまず確実と考えられる.食事に関係したものでほぼ確実なこととしては,非でんぷん性多糖類(食物繊維)は糖尿病予防的に,飽和脂肪酸は促進的に働く.それより少し弱いが可能性の高いエビデンスとしては,総脂質やトランス型脂肪酸は糖尿病促進的に,逆に低グリセミックインデックス食品は予防的に作用する.
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