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特集 患者さんに上手に説明するための17の秘訣
シックデイとケトアシドーシス
Sick day and ketoacidosis
鎌田 哲郎
1
1今村病院分院糖尿病内科
キーワード:
①シックデイ
,
②ケトアシドーシス
,
③脱水
Keyword:
①シックデイ
,
②ケトアシドーシス
,
③脱水
pp.618-620
発行日 2006年7月15日
Published Date 2006/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100264
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「シックデイ」の言葉の意味は
高齢者などには耳慣れないので,「風邪などで具合が悪いとき,熱があり食べられないとき」と具体的に説明する.シックデイには,放出されるストレスホルモンや各種サイトカインによりインスリン抵抗性が増し,血糖値が上昇する.1型糖尿病では,ケトン産生の亢進・利用低下に糖質の摂取不足,さらにインスリン中断が加わると容易にケトアシドーシスとなる.また2型糖尿病でも,特に高齢者では高度の脱水から非ケトン性高浸透圧性昏睡(HONK)となり,生命に関わる事態となる.シックデイ時の患者の適切な対応が重要であり,かねてからの患者教育が必要である1).対処指導のポイントは,1)脱水対策 2)十分量の糖質の摂取 3)自己血糖測定 4)インスリン量調整の具体的指示 5)病院への連絡の5点である.
患者の理解を確認しながら一緒に具体的な対処法を記入したシートを完成し持たせておく.高齢者や幼児では,家族への指導も必須である.
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