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特集 やる気を引き出す糖尿病診療 10のコツ
やる気を引き出すインスリン治療―無理のないインスリン治療導入を目指して
How to motivate patients to manage their diabetes with insulin therapy
浜口 朋也
1
,
難波 光義
1
1兵庫医科大学内科学糖尿病科
キーワード:
ライフスタイル
,
動機付け
,
自己管理
,
チーム医療
,
血糖自己測定(SMBG)
Keyword:
ライフスタイル
,
動機付け
,
自己管理
,
チーム医療
,
血糖自己測定(SMBG)
pp.677-682
発行日 2004年11月15日
Published Date 2004/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100229
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やる気を引き出す糖尿病診療のチェックリスト
□糖尿病に関する知識はどのくらいあるか
患者がどの程度の糖尿病に関する知識を有しており,合併症を含めた自己の病像を患者自身のライフスタイルの中でどのように位置づけているかを評価する.
□血糖コントロールに対する動機付けの程度はどのくらいか
インスリン治療の必要性を理解し,血糖コントロールに対する動機付けが不十分だと,たとえインスリン注射を施行していても,ただ漫然と注射している場合があり,治療の効果が上がりにくい.
□患者(や家族)は治療目標をどこに置いているか
医療者側が考えるベストの治療が,必ずしも患者の考えている最良の治療になっていない場合がある.患者の考えを反映できるように話をよく聴くことも大切である.
□患者の生活習慣,背景は最適のインスリン治療を可能とするか
患者の多様なライフスタイルや食習慣,職業や家族関係などにも配慮が必要である.さらには,インスリン治療に対する患者の思いなど,心理面からのアプローチも無視できない.
□アドヒアランス,安全性は確保できるか
インスリン治療の導入に成功した後は,継続性,安全性の確保が大事となる.日々の血糖変動を自覚させ,早期に低血糖を気付かせるうえでSMBGは必要である.また,高齢者,特に痴呆などの患者では過誤を生じやすいことから,家族などによる支援が不可欠である.
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