特集 糖尿病治療薬Update—適正使用に向けて
2型糖尿病治療
【経口血糖降下薬で効果不十分例への対応】
基礎インスリンによる導入のコツ
金子 至寿佳
1
1高槻赤十字病院糖尿病・内分泌・生活習慣病科
pp.86-90
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223903
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ポイント
●糖尿病状態ではα細胞からのグルカゴン分泌の亢進により,肝糖産生が亢進し空腹時高血糖となる.
●基礎インスリンから開始する目的は,空腹時血糖値を下げ膵β細胞から内因性インスリン分泌を回復させることである.
●内因性インスリン分泌を回復させるためには,低血糖なく空腹時血糖値を100mg/dLまで(高齢者や合併症症例では120mg/dL)改善する必要がある.
●高齢者,進行した糖尿病網膜症や腎症,不安定な大血管症を有する症例では,目標空腹時血糖値を120mg/dLとする.
●基礎インスリンからの開始では,インスリン補充を行いながら食事運動療法のself-efficacy(自己効力感)を構築できる.
●基礎インスリンから開始し食後血糖値をモニターすることが,次の追加治療の必要性についてのインフォームドコンセントとなる.
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