地域・家庭医療学実践記・9
コンサルテーションは家庭医診療のかなめ
涌波 満
1
1ファミリークリニックきたなかぐすく
pp.874
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903626
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かつて,大学の総合診療部に勤務していた頃,研修医に「総診は,いつも最終的には専門医にコンサルテーションをしてしまう.」と批判されたものです.確定診断に至る段階や,初期の治療で専門医にかかわりをもってもらうことが,大学病院というセッティングではとくに多くなるため,何とも頼りない医者にみえてしまうのです.
専門医に相談することをコンサルテーションといいますが,初診の段階からかかわる家庭医は,その守備範囲が広範囲に及ぶため,コンサルテーションのタイミングをそれぞれの分野に応じて熟知している必要があります.トレーニングの背景によって多少は異なりますが,自己完結型の医療を目指すのではなく,以前に記しました社会資源をコーディネートするように,効率よいコンサルテーションを行うのです.家庭医はサッカーのミッドフィールダーのような,医療における司令塔なのです.専門医との連携が上手でないとうまく機能しません.
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